会長挨拶

この度、2021年度の第46回日本足の外科学会を11月11日・12日の2日間、東京、早稲田の地で開催させていただきます。1976年発足から46年におよぶ時を経て、大きな発展を遂げてきた伝統ある学会を担当させていただけることは、大変光栄に存じております。また、このような機会をお与え下さいました日本足の外科学会理事、評議員、学会員の先生方に心より感謝申し上げます。
早稲田大学の前身は、1882年(明治15年)に創設された東京専門学校であり、学問の独立と活用を建学の精神とする早稲田大学へと受け継がれていきました。江戸時代から明治初期に普及した初等教育の場としての寺子屋で学んだ子供たちが、より高い専門性をめざして集い、学び、議論を重ね、そして社会に貢献する人となるべく育っていったものと思いを巡らせることができます。
その上で、本学会のテーマは「足の学び舎‐足を診る、考える、そして知る」としました。ご存知の通り早稲田大学には医学部はなく、附属病院も存在しません。しかし、140年間培われた独立した自由な教育の場としての環境は、唯一無二の存在感を放っています。歴史ある早稲田大学の大隈記念講堂を、社会人のための「学び舎」とみなし、初心に帰って足の学びに耽ってください。大学医局の壁を乗り越えて集い、純粋に「足を診て、考えて、そして知る」ことで、時空を超えた新たなサイエンスが芽吹くものと、私自身、確信しております。
本学会では、今、最も活発なオピニオンリーダーとしての活躍を期待する先生方をプログラム編成委員にお迎えし、特に「学び舎」として教育的な要素の強い、そして今、知りたい話題を中心にプログラムを組んでいただきました。
また、翌日より同じ早稲田大学で開催される第32回日本臨床スポーツ医学会との「合同シンポジウム」が企画されており、スポーツ医学との集学的議論が大いに期待されます。さらに、新たな試みとして理学療法士・トレーナーといった有資格セラピストの先生方との「足の運動機能を語る会」が企画されています。足の外科医とセラピストとの、より一層の交流・情報共有を進めていきたいと考えています。
2019年に始まったCOVID19がいまだ収束していない状況ではありますが、現地開催を軸に、一部WEBでの開催も視野に入れて、スタッフ一同、気を引き締めて準備を進めております。
多くの先生方のご参加を、心よりお待ちしております。
第46回日本足の外科学会学術集会
会長 熊井 司(早稲田大学スポーツ科学学術院 教授)